氷壁昭和31年、僕が生まれた年に朝日新聞に連載開始となった、井上靖著の長編小説だ。
2人の若き登山家、魚津と小坂を主人公にした人間模様を描いたものである。
雪の北アルプス前穂高岳東壁に挑み、「ザイル」が切れた事による小坂の遭難死、自殺なのか事故なのか、ザイルは何故切れたのか、ちょっとミステリーな部分も合わさり面白かった。
当時の銀座の描写や上高地周辺の描写を読んでいると、自分が生まれた頃の様子はこんな風なのかと思いに浸れる。
この小説の舞台になった上高地の徳沢、その場で読んだことによりフィクションではあるが、妙に現実感が残る。
島々、稲核、沢渡など上高地往復の旅に通る集落、ここも魚津や小坂も歩いたのかといつもと違う思いで通る街を見てしまった。